何年か前 (たしか1998年)、当時のセブ州の知事 Lito Osmena 氏の指導もと、セブ市から島の反対側まで横断道路が建設された。これはご覧のようにすばらしい道路だが、急カーブ、急な坂、そして崖に沿った部分が多いためか、難しい運転にはなれていないセブっ子には嫌われている。わざわざセブ市の南側にある Naga まで下ってゆき、平地を走る道路まで迂回する人が多い。バスなど公共交通はまず通らない。おかげで、交通量も少なく、横断街道は静かで心地よい道だ。
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交通は高価。トラックには目いっぱい荷物を積む。高原の経済は主に農産物に依存し、都市部に比べれば規模がきわめて小さい。高原で現金収入を得ることは極端に難しい。最も高価な農産物はマンゴーだが、マンゴーの木の所有者はたいてい都市部のビジネスマンだ。丁寧に育てて、収穫の半分をもらえればまだ幸せ。高原では、満足に満腹感は味わったことはありまないが、飢えもしない、というレベルの人が多い。
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高原ではよく、頭で荷物を抱える女性を見かける。自分以外は頼れる人がいないから、高原の人々はタフだ。比較して、都会の人間は怠け者で、短距離でも車(もしくは三輪車や人力車などの交通機関)を使用する。日本と同様、都会のほとんどは沿岸部に存在し、広大ながらも内陸地の人口密度は低い。フィリピンで唯一、人に溢れない場所だ。
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高原では市場も存在するが、車も人もめったに通らないため、どうやって生計を経てているのかは不思議でしょうがない。野菜は通常、育てた農民自信が都会の市場(通常、巨大な「Carbon Market」)まで運び、道端で販売する。すべて売れるまで、路上で生活する。
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洗濯物を乾燥させるための小屋。高原は夕方になると必ずと言ってもいいほど霧に覆われるし、雨も多い。都市部に比べれば、気温は5度から10度違う。真夏(3月から5月)でも、夜は長袖がなければ寒い。高原は最高の避暑地だ。[拡大]
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高原では誰もが、畑仕事の合間には、都会では需要が止まない炭火焼き用の串を作成する。竹を丁寧に割って、先を尖らせる。それを路上で乾かし、100本当たり2.5ペソで業者に販売する。小売値は5ペソ。この作業は通常、明け方に始まる。現金収入を得るほかの手段といえば、炭や薪の作成がある。まずしいが、大自然を味わいながら暮らせるから、都会よりは山がいい。
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